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果報は寝て待て(-_☆)


果報を寝て待ってはいるのですが・・・
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胃全摘後の消化と吸収って?

    
王監督の術後会見があったようです。

術中~術後経過もよろしいようで何よりです

王監督は胃がん、術後の経過は順調…主治医が会見

 プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの王貞治監督(66)が17日に受けた胃の全摘手術について、主治医の北島政樹・慶応義塾大医学部教授らは18日、東京都新宿区の慶大信濃町メディアセンターで記者会見した。

 医師団は王監督が胃がんだったことを明らかにし、「手術は無事に終わった」などと語り、手術の経過と今後の見通しについて説明した。

 北島教授らによると、手術は、切開部分が小さく、肉体的な負担が少ないとされる腹腔(ふっくう)鏡によって行われた。消化器外科チームにより、17日午前9時40分から午後6時47分まで行われ、胃をすべて摘出した。

 手術中の出血量は72ccと少なく、その後の経過も順調。食道、大腸などへの転移は見られないという。18日午前9時前に集中治療室から自室へ戻った王監督は、すでに室内を5度歩き回ったという。


(読売新聞) - 7月18日11時44分更新
Yahoo!ニュースより




正式に腹腔鏡で胃全摘と発表されましたね?
出血量は72g。手術時間は7時間強だったそうです。

時間が結構かかったんだなぁという印象ではありますが、全摘ならそれくらいなのかな?
出血量は極めて少なかったといえるのではないでしょうか?


腹腔鏡でOPE可能だったってコトは、やっぱり早期胃癌だったのでしょうね。
全摘になったのは、『王監督のニュースに驚いた・・・(゜Д゜:) 』で私が見立てたトコロからすれば腫瘍の場所が噴合部(胃の入り口)付近だったからなのでしょう。
* 吻合部の腫瘍の場合は胃全摘になるケースが多い・・・というか、全摘になる

前記事(『王監督ガンバレ!! 』)で質問があったのですが、胃全摘した後って食べ物の消化などはどうなるのかってコトがギモンに思われる方も少なくないと思います。
チョコっとダケですが、解説になればと思いますので、少し触れておこうかと思います。

一般に言われる消化管とは消化器と言われる臓器の管のことです。

消化管:
 口(口腔)→食道→胃→小腸→大腸→肛門


この消化管の付属臓器として肝臓胆嚢膵臓があって、消化管を含めたこれらの臓器のコトを消化器と言います。



このことを踏まえて、まずは食べ物が口に入ってから排泄されるまでの仕組みについて考えましょう。



食べ物が口に入ってから排泄されるまでの流れ


  • 食べ物が口に入ると・・・
    • まずは口の中で噛み砕く→咀嚼(そしゃく)
    • 噛み砕かれると同時に唾液とよく混ざり、その結果、飲み込みやすくなるのと同時に味覚を刺激して消化器の働きを増大させます。


  • そして食べ物を飲み込む→嚥下(えんげ)
    • 咽頭を通り、食道へと運ばれます。


  • 食道の蠕動運動によって、飲み込んだ食べ物が胃に運ばれる
    • 胃酸の働きによって食べ物は炭水化物→タンパク質→脂肪の順に消化し、胃酸を含んだ粥状のモノにして小腸へ送ります。
    • 水・スープなどの流動物などはすぐに小腸へ移動しますが、消化・吸収能力適した量を徐々に送り込むといった調整もしています。


  • 小腸で消化・吸収
    • 粥状になった強い酸性の食物が胃から十二指腸へ送られると、胆汁・膵液などによって中和されて栄養素として分解されながら小腸へたどり着き吸収されます。
    • 栄養素を吸収した後の残りは、水溶液状となって大腸に運ばれます。


  • いらないものを排泄
    • 大腸に運ばれた栄養素の取り除かれた食物(・・だったモノ)は、水分を吸収されS状結腸というトコロで最終的に便になります。
    • そして直腸に移動されると、その刺激が便意として自覚され肛門から排泄されます。




だいぶ省略したトコも多いのですが、だいたいはこんなモノ。


で、本題。

胃を取ってしまったらどうなるのか。

上記の通り、栄養を体内に吸収させる役割は主に小腸が担っています。
胃は小腸で行なわれている消化・吸収を効率よく行なうための準備をしているに過ぎません。

胃全摘手術を行なうと、多くは小腸で胃の代わり(代用胃)を作られるコトが多いのではないかと思います。

もともと消化吸収のメインベースは小腸というコトもありますが、こうした消化管の再建が行なわれるので日常生活を送る上では特に問題が生じるコトはナイと言われています。


ただ、全摘だと胃の出口にあたる幽門部がなくなります。
それによって小腸に胃で消化した食物を送り込む量を調整、すなわち『食べ物を蓄えて、適量ずつ小腸に送り出す』という機能が失われます。
それによって、食べられる量が減ってすぐに空腹になるといった現象がおきます。
また、食物が停滞している場所がないことから、食べたモノが小腸へタレ流しの状態となってどんどん消化・吸収されるコトによって血糖値が急上昇をはじめます。
それに対応して血糖値を下げるホルモン・インシュリンが大量に分泌されて血糖値を抑えようと体は働くワケなのですが、その頃には小腸で糖質は栄養(エネルギー)源として体内に吸収されていますので、逆に血糖値が下がり過ぎてしまい、ひどい場合には低血糖発作を引き起こします。(ダンピング症候群)


とはいっても術後の管理さえ上手く行っているのであれば、あとは退院してからの食生活で暴飲・暴食および過食や早食いを避け、食後2時間あたりで間食を摂るコトで食後の低血糖は予防できます。
術後はしばらく食事を数回に分けて少量ずつ食べて・・なんてコトもしますが、退院してからは自分で適量がわかってくるでしょうし、日常生活を送る上での制約は特にありませんので、通常であれば大きく支障をきたすコトも少ないでしょう。
・・・患者当人の食への満足度といった面では問題ナイとは言い切れませんが。
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感謝
>人はもっと自分のカラダを尊敬するくらいの
>コトをしてもいいのではないのかと思います。

その通りですね。自分に感謝というのも変ですけれど、生きていることに感謝しないいけないですね!

PS.柿安ダイニングのお弁当食べました。今後記事にします。
dn0715 URL 2006/07/22(Sat)03:38:15
EDITRES
Re:感謝
>その通りですね。
>自分に感謝というのも変ですけれど、生きていることに
>感謝しないいけないですね!

といいつつ、自分自身が一番自分を痛めつけているんですけどね(爆)
♪~( ̄▽ ̄*)

>PS.柿安ダイニングのお弁当食べました。今後記事にします。

あ、さっそくですね?
ウチのまわりではナイからなぁ・・・
帰省した時に、よく買って帰りますけどね(・∀・)
記事、また見に行きます
[ 2006/07/22 21:30 ]
たしかに
小腸を尊敬するって…。
よく考えたらなんかへんですね(^^ゞ

やはり食生活は気をつけないとダメなんですね。
ガンって結局、「血液の浄化装置」なんですよね?
そうすると、自分で血液を汚してしまったら、それは自業自得になっちゃうんですかね?
dn0715 URL 2006/07/20(Thu)22:01:55
EDITRES
Re:たしかに
>小腸を尊敬するって…。
>よく考えたらなんかへんですね(^^ゞ

どうなんでしょう(゚▽゚;)
でも、私も含めてのハナシにはなりますが、人はもっと自分のカラダを尊敬するくらいのコトをしてもいいのではないのかと思います。
そういった意味ではあながちおかしくもナイのでは???

>やはり食生活は気をつけないとダメなんですね。

そうなんですよ。
まだまだ解明されていない部分も多いのですが、がんを抑えるのも増大させるのも食生活が大きく影響すると言われていますからね~。
[ 2006/07/21 10:33 ]
へぇ~!
小腸ってスゴイんですね。
自分で消化して吸収してしまうなんて…。尊敬します。

あ、小腸でもガンはあるんですね。
無いって勘違いしてました(-_-;)
でもガンってやっぱり食生活が原因なんですよね?
dn0715 URL 2006/07/19(Wed)18:44:10
EDITRES
Re:へぇ~!
>小腸ってスゴイんですね。
>自分で消化して吸収してしまうなんて…。尊敬します。

(笑)
小腸に尊敬するって人、初めてであったかもしれない(・∀・;)
でも改めて考えてみると、生物が生きているのってスゴイコトですね!!

>あ、小腸でもガンはあるんですね。
>無いって勘違いしてました(-_-;)
>でもガンってやっぱり食生活が原因なんですよね?
ガンってドコにでもあるんだなぁ・・と私も改めて思いました。
確かに少ないですよ。
食生活、大いに関係してますね。
あと医療の進歩で今までは見つからなかった病気が見つかるようになった・・というのもあるのかもしれません。
[ 2006/07/20 09:27 ]
なるほど!
>もともと消化吸収のメインベースは小腸というコ
>トもありますが、こうした消化管の再建が行なわ
>れるので日常生活を送る上では特に問題が生じる
>コトはナイと言われています。

Dr.pavさん!丁寧な解説有難うございます。
へ~、そうなんですか~。知りませんでした。
日常生活に支障がないとは…。小腸ってすごいんですね。

あ、もう一つ質問があります。
小腸には胃酸のような食物を溶かす強力な酸ってあるんですか?
当然この解説からすればあると思うのですが…。

あ、以前、大腸ガンはあるけど、小腸ガンはないって聞いたことあります。それって、小腸は強い臓器!ってことなのでしょうか?

すいません、初歩的な質問で(-_-;)
dn0715 URL 2006/07/19(Wed)00:16:27
EDITRES
Re:なるほど!
>Dr.pavさん!丁寧な解説有難うございます。

いやいやいやいやっっ!!(゚▽゚;)
一茄子ですから(笑)

そんなコトより、なんかつたない文章でホントすみません

>あ、もう一つ質問があります。
>小腸には胃酸のような食物を溶かす強力な酸ってあるんですか?
>当然この解説からすればあると思うのですが…。

小腸は消化酵素と呼ばれる腸液が分泌されていて、最終的に栄養を吸収するための消化がされます。
胃酸のような強い酸性ではなく、むしろアルカリ性です。

>あ、以前、大腸ガンはあるけど、小腸ガンはないって聞いたことあります。それって、小腸は強い臓器!ってことなのでしょうか?

発生の頻度は少ないのですが、小腸の癌はありますよ。
全消化管癌で約2%未満(くらい)の割合だったと思います。
しかし、悪性度が高いので有名ですが・・・
その他に、クローン病やベーチェット病といった難病の影響を受けやすかったり、腸重積・腸閉塞なんてのも小腸で起きる病気もあって、どれも重症であれば開腹手術を必要とするモノがほとんどです。
そんなワケで、一概に丈夫な臓器とはいえないのかも知れません
[ 2006/07/19 01:26 ]
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